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先端半導体パッケージング向けビルドアップ配線のデスミア工程におけるボイド対策に脱気システムを!「Livalley」【脱気システム活用術】

更新日:10月29日



こんにちは、営業部のTZです。


先端半導体パッケージングのプロセスにおいて、ビルドアップ配線の信頼性確保は製品の性能に直結します。特に、デスミア工程における気泡(ボイド)発生は、銅配線の接続不良や歩留まりの低下を招き、半導体業界において深刻な課題となっています。弊社の脱気システム「Livalley」は、このボイド問題を解決し、安定した高品質な製品づくりをサポートします。ボイドゼロの生産ライン構築に向け、今こそ最適なソリューションを検討してみませんか?



先端半導体パッケージングにおけるビルドアップ配線の信頼性

先端半導体パッケージングの銅めっき配線の製造プロセスにおいては、3次元化、チップレット化に対応するため、デザインルール、品質に対する要求レベルがますます高くなっています。

 

配線サイズの微細化とそれに伴う高密度化、高周波特性向上のための配線表面の平滑化、パッケージの面積増大に伴う基板の大型化などの要求が挙げられます。


チップレットの模式図



チップレットでは、膨大なデータを高速で処理するために、チップ間を短距離で接続する再配線層(RDL)を形成したインターポーザが使われます。

 

このインターポーザに使用する基板材料を、シリコンの代わりに有機基板(樹脂材料)、あるいはガラス基板に置き換えることで、コストダウンを図り、より多くの市場に製品を供給できるようにするための研究開発が行われています。

 

RDLにおける銅めっき配線のサイズ(幅/間隔:L/S)は2µm/2µmとされており、有機インターポーザにおいても、研究開発レベルではすでに実現可能なレベルにきていますが、量産においては、大きな基板サイズで、より高い歩留まりで安定した品質が得られるように製造技術を確立することが求められています。



ビルドアップ配線の形成とSAPプロセスの流れ

層間絶縁フィルム上に導体パターンを形成し、積層して層間をビア接続する多層配線を「ビルドアップ配線」と呼びます。ビルドアップ配線は、セミアディティブ(SAP)工法により形成されます。

 

SAPプロセスのフローは次のようなものになります。

 

①  層間絶縁フィルム貼付

②  レーザービア加工

③  デスミア処理

④  無電解銅めっき(シード層形成)

⑤  レジストパターニング

⑥  電解銅めっき

⑦  レジスト剥離

⑧  シード層エッチング

⑨  パラジウム除去

 

赤字の工程はいずれも薬液に浸漬処理するウェットプロセスが用いられるのが一般的ですが、近年では、デスミア工程にプラズマ処理や光照射方式、シード層形成にスパッタ方式と、ドライプロセスが導入されるケースもあるようです。

 


デスミア工程におけるボイド発生とその対策

ここでは、一般的なウェットプロセスにおける気泡の問題について取り上げてみたいと思います。

 

ビルドアップ配線の形成には、エポキシ樹脂に無機フィラー(微粉末)が混合された層間絶縁膜が用いられます。レーザー穴開け加工により、穴明け後のビアの側壁は、樹脂と無機フィラーが露出した凹凸形状となっています。

 

また、高周波伝送に対応するために配線の表面を平滑に保つ必要があります。そのために粒径がより小さい無機フィラーが使われることで、凹凸形状は小さくなる一方で、凹凸の箇所が多くなります。

 

層間絶縁膜はこのような材料であるため、ビア加工後、ビア底部に樹脂の残さ(スミア)が付着したままとなります。この残さを除去する工程をデスミアと呼んでいます。

デスミア工程では、過マンガン酸塩を用いた薬液処理で樹脂をエッチングして除去します。前処理が不十分であった場合、凹凸部分に空気が残ってしまいます。

 

ビア底部の銅配線や側壁の凹凸形状に気泡が残った状態では、銅配線上の樹脂が取り除けずに配線接続不良を招いたり、気泡が残った部分のエッチングができず、凹凸にムラが生じたりする可能性があります。

 

また、無電解銅めっき(シード層形成)において、気泡が残っていると、無めっき部分ができてしまい、後工程の電解めっきができずボイド(空隙)が生じるリスクがあります。

 

製品が完成した状態でボイドが残っていると、配線幅が狭いほど、マイグレーションによるショートを発生させるリスクがあり、銅めっき配線の接続信頼性に影響を与えます。

 

配線幅が細くなるほど「マイクロボイド」「ナノボイド」と呼ばれる微細なボイドが接続信頼性に与える影響も無視できなくなってきます。

 

全てのウェットプロセスで、基板の全面にわたり、気泡による悪影響を極力避け、歩留まりを向上させるためにも、確実な脱気処理を行うことが極めて重要です。



生産設備の能力に応じて、最適な脱気システムをご提案いたします

弊社の脱気システム「Livalley」で、前処理に使用する純水を脱気処理にすることにより、確実に、スピーディーに、基板表面の気泡を除去して、ボイドの発生を最小限に抑えることができます。

 

既存の生産設備の能力に応じて、脱気水の必要能力を算出し、最適な脱気システムを設計いたします。デモ機の貸し出しもしております。


既存設備に脱気処理を行う処理槽がない場合は、処理槽付きの脱気システムの設計、製作も行っております。




パッケージング基板の製造工程での気泡の問題といえば「東設」と覚えてください!

弊社の脱気システム『Livalley』は、多くの半導体パッケージングメーカー様にご採用いただき、生産性と歩留まりの向上に貢献しています。

 

パッケージング基板の製造工程で、気泡の問題でお困りでしたら、ぜひこの機会に弊社にご相談ください。


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