こんにちは、営業部のTZです。
2022年12月14日~12月16日に東京ビッグサイト(東7ホール)で開催されます「中小企業 研究開発(サポイン/サビサポ)展」に出展しました!
(東京ビッグサイト東8ホール、ブース#①-23)
今回、出展内容として、平成26年度サポインで採択されました、計画名「低消費電力半導体の貫通電極ウエハボイドレス超高速めっき装置技術の開発」を展示しました。
当日は「SEMICON JAPAN」「中小企業 新ものづくり・新サービス展」も開催しており、
久々に多くの方が来場され、日本の半導体・電子デバイス業界で仕事をさせていただいている身として嬉しい気持ちでいっぱいでした。
GINTIに300mmウエハ用の全自動電解銅めっき装置を 設置しました
本事業では、埼玉県産業振興公社様が事業管理機関となり、穴埋め銅めっき研究の第一人者である大阪府立大学 近藤 和夫 教授(現 微小めっき研究所 代表取締役社長)、銅めっき液添加剤メーカーの奥野製薬工業㈱様、国内唯一の300mmウエハスケールの三次元半導体の研究開発試作拠点(GINTI)を運営する東北マイクロテック㈱様にご参画いただき、300mmウエハ用の全自動電解銅めっき装置を開発、GINTIに設置して評価を行いました。また、ビア内部の気泡を除去する脱気前処理プロセスを開発し、シリコン貫通ビア(TSV)のボイドレスめっき、高い膜厚均一性を実現する再配線層(RDL)めっきを実現しました。
HDDの磁気ヘッドメーカー様への納入実績から培った、 優れた膜厚均一性を実現するフェイスアップ式めっき装置
本事業は、弊社が培ってきたフェイスアップ式電解めっき装置の技術を、TSV(シリコン貫通電極:Through Silicon Via)形成に必要とされる穴埋め銅めっき工程の高速化に応用することを目的としたもので、現在、半導体メーカー様からご依頼をいただきながら試作開発を継続しています。
5G、6G次世代通信規格への対応において、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)、スマートフォンの高性能化のみならず、産業機器、車載、セキュリティといった分野で必要とされる多種多様なセンサーを搭載したIoT端末などすべての電子デバイスに求められるのが、大容量化、低遅延化、小型化、低消費電力化です。そしてこれらの要求を実現するのが「チップレット」といわれる異種デバイスの高集積技術です。
チップレットで重要とされるのが、CMP(化学的機械研磨)やハイブリッドボンディング(銅配線、シリコン絶縁膜の直接接合)、TSVやRDL、マイクロバンプなどの微細配線パターン形成により3次元かつ短い配線距離で接続する技術であり、これらの配線や電極の形成においては、めっきプロセスが必須となります。
最先端の電子デバイス製造においては、現在のところ300mmウエハに対応した高価な半導体製造装置を導入して生産ラインを構築しなければならないため、多額な設備投資を要することが大きなボトルネックとなっています。チップ間を微細配線で接続するシリコンブリッジやシリコンインターポーザを用いた、高度な半導体パッケージングを実現できるのはごく一部のメーカーに限られています。
TSV形成を目的とする穴埋め銅めっきで重要なのは、空隙なく埋め込むボイドレスめっきを安定して行えることです。そのためには、TSVのサイズに応じて、めっき液の添加剤の種類や濃度、撹拌や電流条件の最適化を行い、短時間で安定的にボイドレスでめっきを行うことができるかが極めて重要です。めっき条件だけでなく、前処理においてもビア内の気泡を完全に取り除くこともまた重要です。
めっきの次工程で、ウエハ表面の銅めっきをCMPで除去する工程がある場合、ウエハ表面の銅めっきはできる限り均一で薄くなくてはなりません(一般的に数μm程度)。
そして、半導体デバイスの微細化に伴い、銅めっき配線のピッチが狭くなり、必然的にTSVのサイズも小さくなっていきます。TSV間のピッチが狭くなり、TSVの直径も小さくなるとシリコンウエハの厚さも薄くなっていきますが、薄化するほど取り扱いが困難になります。そのためシリコンを比較的厚くすると、必然的にTSVのアスペクト比(直径に対する深さの比)が10を超えると、技術的な難易度が高くなり、投資コストも増大します。
TSVでは、電気的特性が安定していることも求められます。銅は拡散しやすい金属であるため、TSVの銅めっきとシリコン酸化膜の間にバリア層と呼ばれる薄膜をスパッタで形成するのが一般的です。成膜材料として窒化チタン(TiN)や窒化タンタル(TaN)が使われますが、高アスペクト比になると、スパッタによる手法ではカバレッジ率(ウエハ表面膜厚に対するTSV底部の膜厚の割合)が極端に悪くなり、底部の膜厚が薄くバリア性が損なわれます。
高アスペクト比TSVに安価に均一な薄膜形成ができる無電解めっきの開発にも取り組んでいます!
弊社では、今までお話させていただいた課題に対して、高アスペクト比のTSVをより安価なプロセスコストで実現することを目指し、高い銅拡散バリア性を有する無電解CoWB(コバルトタングステンホウ素合金)めっきによるTSVのバリアシード層形成にも取り組んでいます。
300mmウエハに限定されることなく、日本国内に数多く稼働している200mm以下の生産ラインにおいても、シリコンインターポーザ用途の高アスペクト比TSVを量産できるようになれば、異種デバイスのパッケージングを低コストで実現でき、5G、6G時代に対応した電子デバイス製品の実現が可能になるのではないかと考えています。
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「中小企業 研究開発展(サポイン・サビサポ)に出展します!」
「Φ8インチ極深孔TSVウエハへの無電解バリアシードめっき膜の形成」
「めっきによるオールウェット微細配線の形成技術開発のお話」
ご来場の皆様ありがとうございました!
本展示会の開催期間中、SEMICON JAPAN2022も開催されました。半導体、電子デバイス分野のお客様にも足を運んでいただき、めっきや洗浄、エッチングなどウェットプロセスにおけるパターン内部の気泡残留課題解決策として、脱気システムに関心を持たれたお客様もいらっしゃいました。
東設に興味を持っていただいた方はこちらから。
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